乳酸菌(プロバイオティクス)には、以下の二つのタイプがあります。

腸内用乳酸菌

腸内乳酸菌としては、スーパーで売られているヨーグルトや乳酸菌サプリメントなど多数の製品があります。なお、「死菌」タイプの製品ではなく、生きた乳酸菌が含まれた製品を使用することが重要です。腸内乳酸菌は基本的には、腸内環境を整えるためのもので、膣内環境には効果は期待できません。

膣/子宮内用乳酸菌

一般的には、「女性用乳酸菌」と呼ばれる新しいカテゴリーの乳酸菌で、膣環境に適した乳酸菌が含まれています。女性用乳酸菌は、膣や子宮の内面(上皮細胞)に付着する性質が強く、乳酸菌フローラの形成を手助けします。このような性質は、腸内乳酸菌にはみられません。

女性用乳酸菌には、内服タイプ(ハードカプセル:胃酸から乳酸菌を守るため、カプセルは溶けにくい)と膣挿入可能タイプ(ソフトカプセル:カプセルが直ぐに溶けて、乳酸菌が膣内に広がる)の二つがあります。
内服タイプは長期間(4週間以上)の使用、膣挿入可能タイプは、効果の発現が早く、短期間(1週間 – 10日間)の使用が目安です。
内服タイプは、経口摂取後、乳酸菌が腸内で増殖し、排泄後に陰部の表皮細菌叢を介して、膣内に移行します。胃酸の影響を避けるために、内服タイプは食事時間に服用することが推奨されます(胃内pHの1日の変動)。
一方、膣挿入タイプは就寝前に使用します。カプセルは10分程度で溶け、カプセルが膣外に脱落することはありません。

安全性:乳酸菌は、アメリカ政府よりGRAS(一般的に安全と認められる物質:Generally Regarded As Safe)と認定されており、安全性の高いプロバイオティクスです。妊娠中及び授乳期間に使用しても、安全性上の問題はありません。